8/21 イザベル・ムンドリー 細川俊夫

2022/10/19 トークセクションについて追記

トーク・セクション
大体プログラム冊子の対談にも載っているようなことを喋っていた。新規の話は少ない。
  • 日本の自然。石庭を見てどこも同一の様式になっている事に気が付いた
  • ムンドリーのおじいさんは神学者でバッハを研究していた。バッハと神学の両方から取り組むことで,より(メモが読めない)
  • イザベル「作曲は広がりを持つこと。それが信仰に近いと思っている。」開かれたところに行く←聞くということ
  • ベルリンはシュトットガルトと違ってプロテスタント色が弱い
  • 細川「イザベルは日本の音楽の外側(メロディーとか音色)を見るのではなく時間とか本質を見ている」
  • 戦後ドイツの作曲家について。ヘルムート・ラッヘンマンは素晴らしい話し相手だが意識的に授業は受けないようにした。自分の死になってしまうため受けなくなった。響きは今,今と続いていく。音が水平に広がる。(メモの解読不能)リームは重要な意味を抱いていた。リームはあまりにも感情的になっている。らっへんまんは構造の進歩,アバンギャルド,リームは感情,表現そのもの。どちらもイザベルは自分の気持ちを重ねることができない。
  • 今は口承・口伝の文化に興味がある。よくあるアーティストは前に向かって表現する。口承は受け取る力がある。
  • ハンス・ツェンダー,書道に興味があった。異文化にオープン
  • アドルノの亡霊が付きすぎ。何が何でも新しいのが大事という状況になっている。そこで私が問いかけたいのは新しいというだけで価値があるかどうか。だからと言ってネオロマン派ということではなく,既存のツールをより大きな空間でずらしていくことにも価値があるのでは。バッハ名古いコラールを使っていたりする。「水平線に広がっていく」
  • ヴィオラ協奏曲について)私の中で重要度が当たっている。グレゴリオ聖歌と重なっている。無意識とそれ以外。グレゴリオは口承だが,一年後には変わってしまっている。新たに派生したものに組み込んでいける。同じ言葉でもいうときによって言葉の意味が違う。2つあるものをぶつけたのが発展していく。(この技術は)誰もが使えるようにしたい。(筆者註:構造的な枠組みを作ることに意欲がある?)
  • クライスト「マリオネットシアター」
  • マルセロ・マルフーのパントマイムのレッスン
  • オペラ「皮膚の中で」(?)「羅生門の原作」・公判の記録・(筆者のメモが汚くて意味不明)
  • イザベルの家の隣の集合住宅に難民が来て,いろいろなナイジェリアとかの国の歌をそれぞれ持ってきている。それが弦楽四重奏に入っているかもしれない。

応募作品クリニック
大体筆者が思ったことと似たようなことも言っていたがその具体的な技術的な提案に至るまでの思考回路が全然違う事に気がついた。彼女は曲の中のコンセプトの一貫性、統一性を見るタイプで、曲の意味を考えたときに実際の曲想に沿っているかをみる感じだった。まあ違うかもしれないけど。
私は自分がなぜそう感じたかを感じた箇所の楽譜を分析してそれを積み上げてあくまで音の列に対して指摘できるタイプ。純音楽的。彼女のコンセプトやイメージで統一性をはかるやり方の方が経験に依存しなくて対応力が高いだろうなと思った。まあだからといって自分のやり方を変えるわけはないけど。私は曲のイメージとか、思い浮かべる映像とか、そういうのはサッパリ想像できないので。本当に、そういう人の出した批評が結果的に私が思ったことと似たことを言っていてビックリした。

公募作品はムンドリー氏が楽譜を見て選んだらしい。細川氏はあまり殆ど喋らなかった。

筆者の感想
・最初のフルートの曲
風を表すフルートの特殊奏法が軸。もっと途切れないように集団でやったら面白いと思った。一人だと不自然。隙間風でもそんなにビックリするような吹き方はしない。

・チェロの曲
忘れた

・クラリネット
私は好みじゃないけどほかの客の反応は良かった。イザベルがもっと時間を長くして変化を少しずつにしていったり,と言っていたけどそれミニマルミュージックやないかい。

観客は60人位。