3つのオーケストラが奏でる山下一史の世界
2022年7月29日 愛知県芸術劇場コンサートホール 18:00開場 19:00開演
S席 3,500円 A席 2,500円

元々はセントラル愛知に安永徹さんを見に行く予定だったがなんと体調不良で中止に。とても残念だが,ラ・ローサのソロも気になっていたので転じて芸文へGO!

大阪交響楽団「ルスランとリュミドラ」序曲
 ちょっとばらけ気味だったか。

千葉交響楽団 ジークフリート牧歌
 木管のアンサンブルが良い。綺麗に膨らむ。弦も貢献。Trpは普通。
 ハンス・ロットの交響的断章はまさにこの曲から作られたんだなと思った。それから途中の木管ソロの所はマラ3の第5楽章に使われているんじゃないかと新発見した。正しいか知らんけど。後日要確認

愛知室内オーケストラ ロータ トロンボーン協奏曲
 弦の団結力はピカ一。実際に比較できるととてもよくわかる。ルスランは弦が速いパッセージで活躍するので、ルスランがACOで、Trb協が大阪響がよかったのでは。
 Trbソロは思ったより音が小さかった。自分にとっての最近のTbソロが電気文化会館のリンドバーグなので大音量のイメージがあったのかもしれない。いや、それを抜きにしても何か控えめというか音色重視というかそういう印象を受けた。
 曲目解説に、第2楽章にマラ7の雰囲気と、カデンツァにマラ5の冒頭パロディがあると書いてあった。なるほど。筆者は第1楽章のリズム動機はストラヴィンスキーのプルチネラからとられているだろうと思っていたがマラ7も同じか。確かにマーラーで考えると統一性があるな。

合同 春の祭典
 フルートがいる時といない時でホールの飽和感が全く異なっていたので、フルートの音響について考えながら聴いていた。芸文の場合、フルートが密集配置だとそれがあるだけでかなり飽和度に貢献してしまっている。(飽和感とは?) 今月8日に聞いた名フィルのオネゲル3番ではわざとそういうオーケストレーションで圧を出していたんだなと思った。そして、ハンス・ロットのやたら音が高いフルートはこうした中高域の必要以上の音の溜まりを避ける効果があるのではないかと閃いた。
 帰宅後近年実演を聞いて好きだった響きの曲、フランクの交響曲、マラ5の一部、(ブルックナー5番)等を確認してみた。これらのいわゆるドイツ系の渋い響きは、フルートは1番2番はユニゾンでObの1オクターブ上を吹いていることが多い事に今更気が付いた。マラ5に至っては、自分が好きな部分は大抵フルートが休んでいる。(逆に色彩豊かなオケの曲は?)
 銅鑼をこするのが面白かった。

 バストロは多分ベンヴァンダイクモデル。思ったよりバリバリのバリとバリの隙間が大きくて音が直線的で硬かった。


・客の集中度は高かった。でも客数はえらく少ない。3階席とP席はそもそも非買。なんで?名フィルが春祭を芸大と合同でやった時は父兄が多かったのか?みんなACOも聞きに行こう。
・招待客も多数いるようだった。普段いなさそうなサラリーマンもちらほら。
・拍手の後指揮の山下氏から「3つのオケを率いるのは大変だしプレッシャーもある。ACOは音楽に対して前向きで素晴らしいが、客が少ないのがただ1つの欠点。愛知の皆さんにはACOのコンサートに来ていただくことをお願いする。」といった内容のスピーチ。