8/20 東京交響楽団 
指揮 ペトル・ポペルカ 
ソプラノ 森谷真理
サントリーホール 18:00

今日は対向配置。上手からCb, 1stVn, Vc, Vl, 2ndVnの一般的な配置。

ヴェーベルン 大管弦楽のための牧歌《夏風の中で》

冒頭のふわっとした入りが静かな弦が好印象。
中間からマーラー交響曲第2番もとい、ハンス・ロット交響曲もとい、ワーグナーのジークフリートからEwigkeits-motivらしき旋律が登場して興味をそそられる。沼野雄司氏のプログラムノートには「田園風(あるいはマーラー風というべきか)」と書いてあった。(この旋律のことだよね?)

終わりはマラ3第1楽章コーダ的な感じ。シェーンベルクのpre-atonal期の曲は「浄夜」や「Notturno for Harp and Strings」を知っていてこれらは大変気に入っていたので今回も期待していた。期待通りとても好きな感じの曲だった。ロマン派末期の渦巻いている様相がお気に入りなのだ。ヴェーベルンもこの曲を取り掛かりにして色々興味を持って聞いていきたい。

ヴェーベルン ヴォツェックから3つの断章

冒頭は若干バラけ気味でちょっと熱がまだ入ってないかなと思った。
第2楽章は変奏曲だったらしいのでどう変奏されてるのか見ようかと思ったが全然わからなかった。後で確認したい。歌唱の最期の方の高音のビブラートで鼓膜が揺れてそうな空気の振動が気持ち良い。

3楽章は派手で、曲も上記の通り結構ヴェーベルンに興味を持てたこともあり、曲自体も面白かったしソロも華麗で全体的にかなり満足した。

チェレスタとクラリネット(+フルート?)のユニゾンの音色が好きだった。これにミュートトランペット足したらボレロにもありそう。

ラフマニノフ 古典的舞曲

思ったより揃わないというか。。。
曲が難しいのかなと思った。先々週のサマーミューザの都響&たけし氏の時にプレトークで、プロコフィエフの古典交響曲は頻繁に取り上げられる曲だけど実は技術的に難しいというような事を言っていたのを思い出した。対向配置も難易度アップに貢献しているだろう。第2楽章はそれなりにバラバラだったと思う。歯切れのよい舞曲だからズレが目立ちやすいのもある。

コンマスが休符の数を間違えて先に出てしまい、手を上げて後ろに「ゴメン」とやってるのを目撃してしまった笑。臨場感があって良い。でもその前の部分もだいぶ一人走っていた。(周りが遅れていた?)テンション上がっちゃったのかも。

主旋律の抑揚はそれなりにあって情熱的だった。1,2楽章のVnの刻みはかなり禁欲的というか平坦というか強弱はなかった。主旋律と刻みの温度差が気になった。後でスコア確認。

なんだかバラけていたことばかり書いてしまった。擁護するわけではないが、全体的な印象と後味はよく、軽い興奮と熱気を持ってホクホクで帰ることができた。行ってよかった。

一般参賀1回あり。残っている人はかなりの割合で立っていた。
指揮は、指揮台スレスレで勢いよく振っていて、下にも行ったりしてるのに腕が台に当たらないのが凄いなぁと思った。弱音の時はかなり小振りだった。

2022/09/17追記 指揮者は指揮棒を左手で持っていた。