2021.12.11 (土) 16:00 愛知芸術文化センターコンサートホール
▊ カゼッラ:三重協奏曲 作品56 
▊ ロット:交響曲ホ長調 
川瀬賢太郎(指揮/名フィル正指揮者) 
葵トリオ(ピアノ三重奏)


正指揮者の川瀬賢太郎が「名フィルでもぜひ」と選んだ曲は、ブルックナーに高く評価された夭逝の作曲家ハンス・ロットの交響曲第1番。あのマーラー『巨人』に影響を与え、近年再評価が進んでいる大作です。イタリア近代の作曲家カゼッラ作品のソリストには、20代にしてミュンヘン・コンクールで優勝した気鋭の3人組、葵トリオが登場します。 https://www.nagoya-phil.or.jp/2021/0303113451.html
ハンス・ロット大変気に入ったので2日目も行くことにした。ついでにうろ覚えで書いていた昨日の記事を修正・加筆した。 
マイクあり。カメラ無し。 
調律時オーボエに水がたまり音がポコポコするやつあり。無事鳴ったら観客は拍手で和やかな雰囲気。川瀬さんがカゼッラふる前にOK?みたいなジェスチャーで確認してた。 

  Alfredo Casella - Triple Concerto, Op. 56 (1933)  
 まだ曲に馴染めず。興味を持つために一応予習した。カゼッラはイタリア80年代世代の一人で他にレスピーギ、マリピエロがいる。イタリアのムッソリーニ率いるファシズムで保守主義の中、やはり音楽も革新的な現代風より古典を復興させたり(ナショナリズムの中イタリアのヴィヴァルディを復興させたり)、新古典主義の一つとして見ることができたり、そういう時代らしい。(沼野雄司著 現代音楽史98-99頁 まだここまで読み進めて無かった)
  私はレスピーギが好きで7,8年前位にレスピーギばかり聞いていた時期があった。レスピーギは旋律の美しさや響きの独自性が良いなと思い気に入っていたのだが、同時代同地域の作曲家がこんなに先鋭的になっていたとは驚き。

  私が新古典主義音楽が苦手な理由は、和声が機能的でないからだと思う。特に気になるのは終わり方でカゼッラの3重奏曲に然り、ストラヴィンスキーの新古典主義時代然り、なんか突然終わった感が強い。でも、ただ和声だけがが苦手というわけでなく、終決に向かう感、音楽の時間的な移り変わり*が感じられなくて聞いてて疑問が募る。(*これがソナタ形式とか、緩急緩の楽章形式、もっと細かく見て機能和声、そういった作曲技法みたいなもの?)そのうえ最後の和音だけ綺麗で(今までの常識からすると解決しちゃってて)、なぜ今まで積み上げてきた不協和を突然なんの脈略も無く(全く感じられないというわけでもないけど…)終わらせることができるのかと思う。推理ものを読んでて謎が深まってきたと思ったらいきなり「はい!解決!終わりです!」って宣告されてる気分。
 
ストラヴィンスキーはその辺リズムとか長音強奏で流れができてて作曲が上手い。
   
濁ってない和音を最後に急に持ってくるより、この位の終わり方ならありだし納得いくし面白い。統一感もある。
   
ストラヴィンスキーの後に改めてカゼッラを聞くと、1~3楽章の緊張度合いと終わり方がちぐはぐなのが気になるー。けど記事を書くために最後だけ何回も聞き直していたら慣れてきたかも。と思ったけど全体通しできくとやっぱりだめだ…。
 愛知室内オーケストラのストラヴィンスキー没後50周年もあるし、今読んでる現代音楽史もあるし、私の人生史上今が一番新古典主義の曲を聴いているので自分の意識の変化に期待。 

 金曜日はチューバの音量が丁度よいと思ったけど、今日はめちゃ大きく聞こえた。後半のロットを聞いてる時に原因は集客率の違いかもって気が付いた。ベルが前向きの楽器は結構人間で吸音されてるんだな多分。そこで思ったんだけど、チューバもコントラファゴットみたいにベルが下向いてたら色々問題が解決しそうな気がするんだよね。年末ジャンボ当たったら特注で作ってもらって試しに吹いてもらいたいな。いや財力あるならそんなことしなくても1階席で聴けば良いやん…。  

アンコールはハイドンのピアノ三重奏曲第29番第3楽章

Hans Rott - Symphony no. 1 in E Major (1880)
 

 なんというか、金曜日より金管が元気ある。音が輝かしいよ。昨日は今日の分を温存していた雰囲気あるね。あるいは今日で終わりだから遠慮が無くなったか。昨日指摘した472小節目のTbなんかも荒ぶってた。(音程は昨日の方が良いけど。) それでいて全体の響きはよりまとまりを感じた。トライアングルも昨日ほど感じないし、フルート等木管の突出した響きも無いし。最初は私の聞き方が2回目だから分析的でなくなったり、集中力が欠けていたせいかと思ったけど、客が1.5倍ということでそのせいだと思う。余計なホールの響きが減ったからそう聞こえたんだ。でも私は昨日の音響の方が音が飛んでくるし響くし訴えてきてる感じがあって好き。トライアングルも今日はもっとかき鳴らして欲しかったなー。

 川瀬さんはスケルツォが特に良い。柔らかくそれでいて勢いを保ってテンポも楽しい感じで絶妙。コンマスソロも昨日より良かった気がする。やはり弦もまとまりを感じる。 2楽章の奇麗さは今日の音響の方が良いね。最後の伸ばしに浸っていると丁度音が終わる時に観客がパンフレットを落とす音が…(`艸´;) 
4楽章は2日連続で聞くには重かったかもしれないのは否定できない。 

 昨日あれほど感じたニールセンはあまりわからず。やはり自分のコンディションも昨日のほうがよかったかもしれない。その代わりマーラー2番ぽいとことかベートーヴェンぽいとこはよくわかった。ここはアレだみたいなのは別記事にしてまとめる予定。飽きたら辞める。 昨日に引き続き川瀬さんがロットの楽譜をもって讃える仕草。

 ハンス・ロット、名フィルのおかげでとても気にいった。振り返ってみると良い演奏だったなぁと思う。今度はトロンボーンも倍管で再演希望!

 昨日と今日の録音はいつ聞けるんだろう。やはり定期会員限定なのかな。一般向けにも少量特別販売してくれないかな。それにしても名フィルの録音てCDは聞いたことがないので頓珍漢なこと言ってるかもだけど加工がされてなさすぎるよね。マイクも遠いし。その分空気感はすごい伝わるんだけど。”オーディオ”として海外のものや、N響テレビ放送と比較したら負けてしまう。録音とミキシングで損してて物凄く勿体ない。素直すぎる。もっとマイク近づけてコンプでつぶしてサチュレーションかけてゴリゴリムキムキにしないと…。
   
フランス放送フィルハーモニー管弦楽団のトロンボーンのマイクなんてこんな目の前だぞ!?こんなの卑怯すぎる。真似しないと。ちなみ録音・ミックスはサンフランシスコ響のが好き。 
うぅ~名フィルハンスロットの良さをyoutubeで理想の録音で世界に発信出来たらなんと素晴らしい事か…。 

 以上