第490回定期演奏会〈大友直人のフレンチ〉
▊ ベルリオーズ:序曲『ローマの謝肉祭』 作品9 
▊ ルーセル:交響曲第3番ト短調 作品42 
▊ プーランク:ピアノ協奏曲 
▊ ラヴェル:ボレロ 
大友直人(指揮) 
岡田奏(ピアノ) 
愛知県芸術劇場コンサートホール 

  席の場所がいつもとちょっと違ったせいかいつもより解像度が低く感じた。これはアナウンスの時点で感じたことだけど、気のせいかもしれない。ベルリオーズは執筆時点では興味があるんだけど聞いた当時は関心が薄かったので特に感想はなし。ベルリオーズ、ルーセルともになんとなくバスドラが印象に残っている程度。ドンドンドン・・・

  ルーセル 
・2楽章終わりのコンマスハイポジションppソロ、掠れすぎでなんか微妙。 
・曲自体が割と難解でよくわからないところも多い。勉強不足なのもあるけど。。最後のコーダが結構強引に感じた。短めのモチーフというかテーマを3回繰り返して、とりあえず終結感は出てたけどなんか強引で釈然としない。曲全体にそういう雰囲気があるのでそういう曲なのかもしれない。でも自分には今のところ合わないというか。意外性を狙っているのはわかるけど、スベってるように聞こえてしまった。

  プーランクピアノ協奏曲 
 ピアノ協奏曲を生演奏で聞くのは覚えている限りで初めて。抱いた印象は、ピアノって意外と音が小さい。それは曲の構造的な問題であるピアノにオケ重ねすぎな所と、音色の特徴という2つで感じた。ピアノ協奏曲って、ピアノは音デカイから~と思ってる作曲者がやたらオケ重ねて迫力出そうとして、結局ピアノが聞こえなくなって大音量出そうともがいて苦しんでるようで可哀そうな印象ある。普段音が小さい前提で書かれているバイオリン協奏曲ばかり聞いているので余計にそう思う。音色の面でも、バイオリンは音がザラザラしていて(所謂シルバートーン?)、オケの中でも、オカが弱奏時あるいは木管が伴奏時等は抜けてくるので意外と音が小さくても聞こえるんだけど、ピアノはバイオリンに比べて音が丸いので籠っていて抜けてこない。(バイオリンと比べて絶対的な音量が大きいのは間違いないけど、印象上ではの話) 

 アンコールはドビュッシーの沈める寺。これはとてもよかった。個人的に、オケと対決するような曲より静かな一人完結の曲のほうがピアノでは好みなんだなと分かった。ドビュッシーだからというか、だからこそ一瞬コープランドのファンファーレっぽいなと思ってしまった。 ボレロ 
 この公演のお目当てはボレロのトロンボーンソロといっても過言はない。 
・ボレロ、ファーストホルンが刻み始めた辺りで刻みのチェロとコントラが走り始めた。スネアば正確に刻もうとするが、なんとなくぎこちないままトロンボーンソロ。トロンボーンは完璧だった。ビブラートは少なめ。音量も抑えめだった。ブリブリ拭いた方が好みではあるかも 
・トロンボーンが終わりオケと観客の(?)緊張が解けた時、ファーストバイオリンも旋律を弾き始める事で刻みの間が埋まり艶が出る。速度も少し早い所で安定してスネアも二人目が加わりステレオ感アップ 
・トロンボーンソロが終わった時にローブラスセクションが足をバタバタしたり膝叩きしててなんとも良い空気  最後にトロンボーンがグリッサンドになるところ、トロンボーンが和音の構成から抜け落ちた感じがすごくて、中音域がいきなりスカスカになったように感じた。このこともそうだし、そもそもソロの音量もTrbよりサックス2種の方が圧倒的にでかいし、順に音量が大きくなって最後は重厚なというイメージとは実物は結構違った。なんとなく自分の中でドイツ的な響きでイメージが凝り固まっていたのもあるかもしれない。あらたなフランスの風で固まったイメージを解してくれた良い演奏会だった。

 以上