プログラム
ロビーコンサート:ベートーヴェン グロースフーガ

ブラームス ハイドンの主題による変奏曲
藤倉大 ビオラ協奏曲
アンコール有り
ベートーヴェン7番

藤倉大
 今まで聞いた藤倉の作品の中では好きな方だった。藤倉の曲はどちらかというとアンコールに演奏されたビオラ独奏の曲(自作自演らしい)のような映画音楽に近くネオ・クラシックのような雰囲気の曲が多いが今回は珍しくシリアス寄りだった。ちなみにアンコールの曲に似た藤倉のファゴット独奏曲を知っていたのでアンコールも藤倉の曲かと思った。
 構成。ビオラの独白に、オケが不協和音で受け継いだりSE的に合いの手を入れたりで始まる。一山盛り上がりを作った所で金管が少し入り短い連打音で味付け。その後小カデンツァで動→静。ビブラフォンが少し顔を出す。後半からのビオラソロは深刻さが薄れ、曖昧な雰囲気だが柔和である。ビブラフォンが本格的に登場し、もう一山作り、曲の最後にカデンツァ。オケの弦が受け継いで終了。
 冒頭の動機が再帰される事は無かった?ように思った。相変わらず構成感を感じないが、本人がなにも考えずに作ると言ってるのでそういうものだ。構成がイマイチわからず受け入れられない、電車の中で一瞬で書き上げられたというヒンデミット『白鳥を焼く男』を思い出す。ただ白鳥よりは曲に起伏があり面白かった。
 面白くなかった所。最初の方の合いの手の和音は一定回数繰り返されるが時間配分に説得力が無くイマイチ。繰り返される中で何らかの訴えるものがほしい。最後のカデンツァに弦2本を使って隣接する音を演奏するシーンがあったがあれはクソダサい。