シューベルト5番
ブルッフ ヴァイオリンコンチェルト
アンコール パガニーニアーナ(ミルシテイン)
ソロ:HIMARI

休憩20'
ドヴォルジャーク8番
ミューザ川崎シンフォニーホール


シューベルト5番

 シューベルト5番は終楽章にハンス・ロットとブルックナー5番の先駆け、旋律の元ネタらしきものを見かけるも他に見所わからず睡魔との戦い。それから今日は席を2階サイドにしたけどこれは失敗だった。やはり秋山大先生の響きは正面席でこそ圧倒的な感動を得られる。でも弦楽器の揃い具合は近くで聞いてもやっぱり揃ってて凄かった。


ブルッフ

 HIMARIちゃんは、MIDORIちゃん風の売り込み方の名前。2011年生まれで2022年カーチス音楽院に最年少入学、ヴィエニャフスキコンクールで特賞をはじめコンクール総ナメ。天才は妬ましいので特に録音を聞いたりはしてなかったけど秋山先生のドヴォ8を聞かねばならんので…。

 では感想…まず音。音はシルバートーンかなり強めのザラザラ。ホール全体を響かせるという観点では全然鳴ってない響いてない。ここは年相応というかんじか。かといって細く縮れてるわけではなくシルバートーンなので抜けて聞こえてくる。指向性はおそらく狭めで正面席の人はよく聞こえたのでは。でも前澤、もっと素直に鳴る楽器を与えたれよと思う。弓は宗次印だけどこれは多分ものすごくいい奴な気がした。アタックとか聞いた感じ。松脂何使ってるか気になる。
 ビブラート上手。どの指でもしっかりかけれる。たた自分的には掛け過ぎな箇所が多くてtoo muchだった。もう少し音程の上下幅が大きい方がいいけど。手が大きくなったら解決するかも。ただ指が太くなるということは高音域の音程が取りにくくなったりするので、今しか聞けない演奏というのはやはり間違いないから一度聞いて見といたのは良かったかもしれないと帰り道考えた。
 アンコールのワンボウスタッカートの速度とかは年相応で安心した。でもアンコール、個人的にはパガニーニアーナの方が本家カプリスより弾きやすいので本家カプリスやってほしかったな。

 ここまで技術があるのに演奏はあっさり超あっさり。時々アイデアは見れるけど。ブルッフの冒頭を複付点ぽくしてたり。総合的にみると細かい音楽的なIQはそれほど感じない。帰り道にオジサマ達も技術はあるけど〜とそのような話をしてるの聞いたし私はそこまで変なことを言ってないと思う。ビブラートもかけるのはうまいがそれを乱発してるだけとも見える。やはり別のブログの人も書いていたが「今がチケット代が一番高い」となるのではないだろうか。ここまでこの年で上手なのだからそうはならないように大成してほしいけど…。
(ここから更にうまくなるには座学が必要なのだろうか?和声や対位法を理解したら音楽的な演奏ができるようになるのだろうか?気になる)

ドヴォ8

 秋山✕ドヴォ8。素晴らしいに決まっている。あい変わらず素晴らしすぎる棒捌き。オケが一体となって聞こえる響き。フルートもそつなくこなす。日本センチュリー交響楽団もしっかりまとまりがある。大阪フィルが金管パッカーンてイメージだから大阪人はそうなのかと思ってたけど違ったんだね。
 終楽章再現部の速度が特に変化なくずっとゆっくりなのがしいていえば好みじゃなかった。ここはゆっくりだけど秋山さんらしく堂々としちゃっててあまりゆったりになりきれてなくて中途半端だった。でもほんとに良い演奏だった。
 終楽章トロンボーンが吠える所、すごくテヌートだったのが変わってた。


 プレコンサートはめっちゃ喋る関西人の人が担当。2ndVnトップの人。モーツァルトディベルティメント第一番、じょうひさよしの弦楽四重奏、ドヴォルジャークアメリカ終楽章の三曲。ひさよしの曲のビオラパートで誇張された音があるのだがそれの存在意義がわからなかった。