2022年9月10日(土)愛知芸術文化センターコンサートホール
開場15:00 開演16:00
指揮 原田慶太楼
弦楽四重奏 Attacca Quartet + 牧野葵美
■John Adams : The Chairman Dances - Foxtrot for Orchestra (1985)
■John Adams : Absolute Jest - for String Quartet and Orchestra (2012)
□アンコール Caroline Shaw : Valencia (2012)
■Antonín Leopold Dvořák : Symphony No. 8 in G major Op. 88, B. 163 (1889)

本来2020年4月にエド・デ・ワールト指揮でやるはずだったアタッカカルテットのリベンジ公演。その時の予定演目の後半はベト7だった。(名フィル当該頁)。

アダムズ:主席は踊るー管弦楽のためのフォックストロット
アダムズ:アブソリュート・ジェストー弦楽四重奏と管弦楽のための


前半2曲。正直ミニマリズムも米国ポップも苦手であまりいつものように意欲的には聞けなかった。とはいえ予習はしたつもり。ベートーヴェンの後期SQやらGroße Fugeやらハンマークラヴィーアやらを聞いて,アブソリュート・ジェストもYoutubeで聞いて,うわスゲー第九のティンパニじゃんと思ったりもした。でも寝てしまった。昨日からの疲れが取れていなかった。奏者には大変申し訳ないが…。弦が切れたアクシデントもあったみたいだが全くしらない。あと某苦手な業者が出入りしているのを事前に知って聞く気が失せていたのもある。
ミニマリズムやポップな曲って,クラシックではなくてオーケストラを用いたヒーリングミュージックだよね。以前プロの音楽家が「現代曲はクラシックとポップスの区別がない」と言っていたが,それはそうなんだけど極めてクラシック的な方向性の現代曲もあるわけでひとくくりにされるとあまり嬉しくないというのが個人的な感想。

アンコールの曲は面白いんだけど,クラシックじゃなくてこれもヒーリングミュージックの類に聞こえる。筆者にとってなにがクラシック音楽をそれたらしめているかというとまだよくわかっていないのだが,やはりその音楽の持つ主役感が欠かせないと思う。曲自身が何かもっと私を見てと訴えてくるものが欲しいと思った。それがノーノの時にも書いたことにもつながるんだけど上手い事言語化できない。ストーリー性?情緒の激しさ?ミニマリズムもその派生も,ただぼーっと時間が過ぎるのを受け入れるしかなく,自信を投影したりして没頭できないのが嫌い。勿論技法として微妙な変化を眺めるのは面白いのだが,感情は生まれない。時間や人生に余裕があるなら共感できていたかもしれないと最近思う。ライヒやアダムズ,ショウはもう既に多くの人に支持を得ているし,筆者がどうこう言ったところで本当にどうでもいいことだけど。これは日記なので今思ったことを素直に書き留めておく。

アタッカカルテットって過去の映像を見ると日本人が入っているけど,メンバーは流動性があったのだろうか。たまたま代役?

ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調

後半は気合を入れなおして真面目に聞いた。色々少し期待が大きすぎたかなと思った。何事にも限界はある。

第1楽章の冒頭のテンポは少し遅め。スコアの指定だと♩=138だが,多分♩=90位。207小節目から212小節目はVnの方を向いて指揮をしていたのがちょっと意外だった。低弦の方を向くかと思っていた。
冒頭からはずっとゆっくりで進むがコーダに入ってすぐの209~300小節目で激しいaccelerandoが入り爆速で第1楽章を終える。これにより第4楽章への期待も高まった。まさかのアタッカで第2楽章開始。
(和声はこんな雰囲気と予想。ソプラノとバスが反行の半音進行なのでわざわざ記号を付けてもあまり意味ないと思う。)
第2楽章はフルートやクラリネットの二重奏が美しい。クラリネットのディミヌエンドの時観客の咳がうるさい。
第3楽章はテンポが遅すぎると思った。退屈で眠くなった。
第4楽章は悪い。団員は疲れていたのかバラバラ。全体的に雑。強弱の統一感が薄い。フルートは折角の見せ場で崩れまくり。第2楽章の綺麗な演奏はどこへやらで勿体ない。主題の3音は3つ目に重みをつけるタイプ。指揮者の工夫が見れるのは面白いが,これには賛成できない。どっこいしょーって感じで勢いが死んでる。フランス国立管弦楽団がちょっと似てる。
 オーボエはなんか音が細い。もっと自信もって…。これはチャイコ1番の時など割と常に感じていることだけど,チェロは音程が悪い。パート内でうねってる。
コーダも歯切れが悪く音も出ているように感じない。金管の音圧を活かせていない印象。もうちょっと名フィルうまいと思ってたんだけどなぁ。まあ上手なパートを活かせていないだけのような気もする。ホルンのトリルとかffzだし。うーんでもHrやTrpが特別活躍しない曲だとこう聞こえてしまうのか。超上手い奏者頼みができず,総合力の低さが目の当たりになってしまった感じがある。そんなことはないか。ドヴォ8が難しいのか。わからん。
 とにかく,1,2楽章でいい感じに期待を高めるも,4楽章で裏切られたと感じてしまったのが非常に良くなかった。緩急のつけ方も4楽章はもう少し起承転結や説得力が欲しかった。1楽章に対して弱い。
 嫌いな曲ならこういう時もあるさで済ませられるが,好きな曲で楽しみだった分ガッカリも大きい😞

 ティンパニのマレットの変化が面白かった。1,4楽章は大きめの撥でボーンとした音。2,3楽章は小さい撥で,高い倍音がよく聞こえる。

 最後は間髪開けずガラガラ声のブラボーおぢさんで幕引き。うるさい。一呼吸置いてくれ。
 名フィルは川瀬氏の時に見せるやる気をほかの指揮者でも見せてください。ヴィオラセクションは名フィルの良心。以上。

追記:エリザベス女王がお亡くなりになったが,昨日も今日もGOD SAVE THE KINGの演奏はなかった。あると思ったんだけどな~。日本全国の反応も自分が思っていたよりは小さかった。