名古屋音楽大学声楽コース ヴォーカルアカデミー2022
ヴェッセリーナ・カサロヴァ先生(メゾ・ソプラノ)公開マスタークラス
2022/9/5 13時開始
■一條翠葉 マスネ作曲「ウェルテル」より,手紙のアリア(Air des lettres)
■山田知加 モーツァルト作曲「コシ・ファン・トゥッテ」より,岩のように動かず(Temerari...Come scoglio)
■山下裕賀 ロッシーニ作曲「セヴィリアの理髪師」より,今の歌声は(Una voce poco fa)
協力 葵鐘会
招聘 MCSヤング・アーティスツ
協力 バーゼル国際声楽コンクール実行委員会

 ACOや愛知県芸に続き,またもや葵鐘会の協力。ありがたや~。そろそろ所属の医師や看護師に,音楽ばかりやってないで給料上げてと言われていないか心配になってくる。

 オーディションは名古屋音大の枠をとっぱらって募集したとのこととの学長からの一言があり,将来の日本の声楽界をひっぱっていくと信じた人たちを選んだとも。MCSの代表も駆けつけていて,最後に大学外にも開放したマスタークラスは欧州のような…とあった。あのお方がMCSのツイッターにたびたび登場するワンおばちゃん?

 結構人がいて驚いた。カサロヴァ女史も最初の挨拶で「こんなに大勢の方がいるとはびっくりした」と言っていた。因みに会話はドイツ語で,女史の単語ははっきりしていて聞き取りやすい。まだまだ勉強不足で自分の中では文章にはならないが。通訳の方はかつて女史のマスタークラスを受けた方だそう。カサロヴァ氏は現在57歳とのこと。大御所と聞いていたのでイメージよりだいぶ若い。テノールやバリトンだとまだまだ中堅みたいな印象のある年代だが,女声(バスも?)は選手生命が短いのだろうか。声質が変化してしまうのだろうか。

 カサロヴァ先生が言っていたこと
・声のポジションを前にする(わずかな違いだが)
・母音を前に出す。子音で引っ込めない
・のどぼとけを上げない。上げる歌い方では将来歌えなくなる
・横隔膜は縦ではなく横に広げる(支える?)
・自分によく聞こえる歌い方ではなく前に音を飛ばす。そうすると自分にはあまり聞こえない
・音を広げない。広げるなら音の跳躍後,到達して発声してから
・年齢に合わせた声,役をやる
・今はオケの音量が上がってきている。それに負けないようにする
・余計な音の区切りを作らない。指揮者のザッツを無駄に増やさせない

 二人目の山田氏が特に上手く,琵琶湖レベルたけーと思った。女史も「手直しする必要はあるけど,今すぐ欧州にきて活躍できる。言い方は悪いが欧州ではこのレベルに到達していない人でもビジネスとしてやっている。ソフィア(ブルガリアの首都)においで。」と言っていた。三人目の山下氏はビブラートがきれいだなと思った。

 カサロヴァ先生の声は響きがすごい。耳に全く刺さらないのに音量があって不思議だ。低音が男らしすぎるといううわさも聞いていたけど今日の曲ではそれは聞けなかった。今日はコンサート前なので喉を大事にしたいということで全開披露もなかった模様。それでも時折すごい声が出ていたが。生徒をよく褒めていて大事に大事にしているのが伝わる。一回カサロヴァ先生のお手本に拍手が起こったときは,これはマスタークラスだからとかなり遠慮していた感じ。人が好い。ちなみに拍手は学長が率先してしていた笑。

 水曜日7日のコンサートは金欠のため行けない。残念だが我慢。9月は月末に浜松にも遠征する予定だし,10月は東京にもまた行く予定なので仕方がない,と自分に言い聞かせている。