2022.6.10 (金) 18:45 / 11 (土) 16:00
愛知県芸術劇場コンサートホール

アントニ・ヴィット(指揮)
小菅優(ピアノ)*
居福健太郎(ピアノ)*
窪田健志(打楽器/名フィル首席奏者)*
ジョエル・ビードリッツキー(打楽器/名フィル首席奏者)*

▊ バルトーク:2台のピアノと打楽器のための協奏曲 Sz.115*
▊ ブルックナー:交響曲第6番イ長調[ノヴァーク版]

ポーランドが誇る巨匠ヴィットは、自国の音楽のスペシャリストとして絶大な評価を勝ち得ていますが、レパートリーは広く、かねてからブルックナーへの意欲を燃やしていました。名フィルがブルックナー6番を演奏するのは、四半世紀ぶり2度目。バルトークでは、小菅+居福夫妻と窪田+ジョエルの首席コンビ(そして居福+窪田は藝大同級生)の共演が実現します。

感想

バルトーク

ソリスト4人の集中力がすごかった。ピッタリ合っていた。シンバルを受け渡してすぐにTimpを叩き始めるの所が特に視覚的には面白かった。

ピアノの音のなじみが良かった。普段は苦手なPfの音も、蓋をつけて指向性を無理に付けるのと違ってかなり好みだった。Pf1が頑張って弾いて、Pf2は割と空き時間がありそうだった。バルトークが1番で、2番は夫人用だったのだろう。

指揮は控えめで、あくまでまとめに努めている様子だった。開始前に指揮の譜面台が低くて、ソリストのPfの居福氏があげる場面があった。

譜めくリストが上手だった。特に上手側の人はいつもと違う方向からなので動きが新鮮に感じた。

1楽章、Vn1がちょっと頑張ってしまい一瞬乱れているところがあった。

曲は、ショスタコーヴィチ由来の3楽章が最も親しみやすかった。ただ1,2楽章の緊張の統一度合いと、オーケストラを利用した適度な解放感(壮大さの演出)も中々よかった。感動はしないが曲として完成度は高いと感じた。

ブル6

指揮はうって変わって積極的な振り方になった。
冒頭ホルンはミスが数音目立ったが、4楽章?のソロはそれを挽回する素晴らしさだった。はっきりとした音色で、尚且つ音高に応じて自然な方向性も感じた。

1楽章の弦は音が長かった。特にVn1が張り切りすぎて走っていた。(音が長くて膨れていた、が正しいか。)
対向配置について。Vn2はVn1に対して、対旋律が多いので対向配置でもブレが気にならないかと思ったが、そんなことはなく、やはりぼやけが気になった。芸文で対向配置はいくら巨匠といえどもナシだなと思った。金管の配置だが、自分ならTrpとHrを固めたいと思う。ユニゾンのところでもっとぴったり合ってほしいと思った。TrbとHrの位置を逆にするのがよいかもしれない。
TubaはF管。音がコンパクトすぎるような気もしなくもないし、あれでむしろ良かったような気もするし、、。荘厳なイメージとは少し違ったが名フィルの音という感じがして良かった。

1楽章は前述のとおり乱れがあったし、それ以降Hrもパート内で若干危ういところもあったが、全体的にはいつもより金管は安定していたと思う。

今日はVn1はどうしたのだろう。積極性を増して表現力を付けて一皮むけようとしているならとても嬉しいが。