岡崎市シビックセンター コンサートホール コロネット
2022年2月19日(土)開場15:30 開演16:00
渡辺香津美(ジャズギター)
須川展也(サクソフォン)
奥村愛(ヴァイオリン)
井上陽介(ベース)
奥村愛ストリングス
Vn1 橋森ゆう希、加藤直子
Vn2 前田尚徳、戸島さや野
Va 生野正樹、高嶋麻由
Vc 小川和久、奥村景

プログラム
「A列車で行こう」 B.スレイホーン/萩森英明編
「マイ・フェイヴァリット・シングス」 B.ロジャース/萩森英明編
「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」 G.&I.ガーシュウィン/萩本英明編
「マイナー・スウィング」 D.ラインハルト & S.グラッペリ
「オール・ザ・シングス・ユー・アー」 J.カーン
「パッシー・ホーム」 渡辺香津美
「遠州燕返し」 渡辺香津美
休憩
「星に願いを」 L.ハーライン/朝川朋之編
「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」 G.ハリスン/萩本英明編
「ジプシー・メドレー」 山中惇史編
「バードランド」 J.ザヴィヌル/萩森英明編
「シング・シング・シング」 L.プリマ/萩森英明編
「スペイン」 C.コリア/萩森英明編
アンコール:忘れた…ディズニーの有名歌曲だった気がするのだが。美女と野獣だったかな?

友人の感想

 誘った友人に冗談半分で感想の提出を求めたら本当に書いてくれたので先に載せさせていただきます。
演奏会なんていつぶりだろうか。
大学の友人が所属してた市民吹奏楽団に行った以来、約2年ぶりか。それぐらいかなり久しぶりに演奏会に行った。
 
食わず嫌いのジャズの演奏会。ただでさえ久しぶりの演奏会で緊張しているのに、普段聴かないジャンル。聴きに行くか迷ったが、行ってよかったと思う。
100%ジャズではなかったのも僕個人的には良かったのかもしれない。バイオリンが入ると一気にフォーマルに、クラシック(交響曲みたい、という意味ではなく、古典的なという意味)になる気がする。いや、バイオリンソリストさんのカラーだろうか。アンコールのあいさつでも、アドリブは苦手と仰っていた。(とっても細かいことだが、ソロ用の譜面台置いてたのは個人的には残念というか、譜面台無しのバージョンも聴きたかった。)
 
演奏以外だと、人の多さやコロナ対応に驚いた。アルコール消毒や検温だけでなく、チケット半券へ連絡先の記入や、プログラムが手渡しではない等、様々な対策が講じられていた。これぐらいはよくある対策なのか。プログラムが机の上に並べられているのを見た時は、初めてだったので驚いた(ただ僕がいかにコロナになって出かけていないかが露呈しただけだろうか)。しかし、その割には客席の間隔は開けず満席だったし、コロナ対策として出演者への贈り物の受け取りがなかったのには違和感があった。
いや、もう2年以上この感じなら、これか普通か。社会の変化に順応していかないといけない。そんなことを演奏会で考えていたのはたぶん僕だけだろう。
 
(話を演奏会の感想に戻す。)
 
演奏会後、友人から感想を書くように言われた。その場のノリで承諾してしまった以上、書かないわけにはいかない。だが、僕は友人のように細かいレポートは書けない。「この曲のバイオリンが云々…」とか書いてみたいが、音楽知識がないので難しいことはわからない。何より、次の曲が始まると忘れてしまう。聴いた感覚で、気持ちいい、何か引っかかる等、直感で楽しむタイプなのかもしれない。そんな僕なりに演奏会で感じたことを箇条書きで、徒然なるままに書いてみる。
 
・メドレーってお得
メドレーはいいとこ取り。有名な、聞いたことあるメロディーが繋がっているので、聴いていて楽しい。今回の演奏会でもプログラムの中に「ジプシーメドレー」があった。有名なクラシック3曲のいいとこ取りを弦アンサンブルで聴けた。(もしかすると、このタイプは心理テストで悪く言われるかもしれない。)
 
・アドリブかっこいい
ジャズの醍醐味の1つがアドリブソロ(だと、ジャズ素人は思う)。今回の演奏会でもソロはどれも格好よかった。特に須川さんのソロは光っていた。奏法もメロディーも引き出しが多いなと感じた。星に願いをの最後にあった「ド・ド・ソ・ソ・ラ・ラ・ソ」が特に印象に残っている。
  何より、ソロの部分は楽しんで演奏しているのが伝わってくる。演奏している姿からも音からも。だから、聴いているこちらも楽しくなる。言葉を使わなくても「楽しい」を伝播させることができる。音楽ってこういう良さもあるな、と再認識した。
 
・バイオリンが物足りない
録音の演奏で慣れてるからだろうか。吹奏楽の爆音と比較しているからだろうか。ただ音量音圧が足りない、というわけではなく、ホールが響ききってない気がする。今回の演奏会も、吹奏楽器のサックスと比べると、アンプを使ったギターと比べると、どうしてもバイオリンの物足りなさを少し感じてしまった。
オーケストラの演奏会にあまり興味がわかないのは、知らない曲が多いこと等いくつか理由がある。この弦楽器の物足りなさも理由の1つ。
と、これ以上書くとバイオリン弾きのオーケストラ演奏会によく行く友人に怒られそうなのでここまでとする。
 
・拍手間違えちゃう問題
前提、拍手をすることはいいことだ。僕自身、演奏したときに拍手がもらえることは最も嬉しい瞬間の1つである。ただ、余韻楽しみたい派としては、終わる前や直後に拍手するのは少しもったいない気がする。
僕は人よりもワンテンポ遅れて拍手を始める。拍手も含めた音楽に拍手してるのかもしれない、なんてこの文章を書いてて思った。タイミングの悪い拍手も含めて演奏会の良さ、ということにしよう。
 
思い出の曲
誰しも思い出の曲が1曲ぐらいはあるのではないか。僕も吹奏楽部で演奏した曲はエピソード付きで思い出に残っている曲がいくつかある。その中で、悪いエピソード付きの曲もある。プログラムにあった「シングシングシング」もその1曲。聴いていて楽しい曲なのに、同時にその苦い思い出がよみがえる。5年以上前の話なのに。相手はもうこんな話とっくに忘れているかもしれない。
 
演奏会に関係ないことも含め、思ったことをたくさん書いてしまった。上から目線で失礼な部分も多々あると思う。すみません…。
2時間の演奏会は時間の経過を忘れるほど、とても楽しい時間だった。ただ家でダラダラしている休日よりも、比べ物にならないくらい充実した休日を過ごすことができた。楽しい時間をくださった須川さんはじめ演奏家の方、誘ってくれた友人に感謝したい。
 
生の音楽はいいな、と改めて思った。
 
次はいつ演奏会に行こうか。いや、いつ自分で演奏しようか。

(追記)12弦ギター
今回の演奏会で初めて12弦ギターの存在を知り、音色を聴いた。12本もの弦をどうやって演奏しているのだろうか…。4本の弦しかないバイオリンを挫折した僕には、多分とても扱えない楽器だな、と思った。音の重なりが厚く、一人で演奏してるとは思えないほど、音の数が多い。単音楽器しか演奏できない僕には少し羨ましく感じた。
曲も不思議な雰囲気だった。須川さんも演奏前に「難しい曲」とお話されていた。その言葉通り、変拍子で1度聴いただけではわからない。そんな曲と12弦、ギターの無数の音の重なりに不思議な魅力を感じた。    T

 とても良い感想をありがとうございます。お誘いしてよかったです(#^.^#) 。人それぞれ演奏会に臨む態度や背景が違うので、こうしてよく知っている人の詳細なレポートを読むのは背景情報を推察できたりしてとても面白いです。また、私はコロナ仕様の対応にすっかり慣れているのでパンフレットの机置きなど疑問に感じなかったのですが初めてだと戸惑うようですね。すっかり慣れてしまっていたことに自分が驚きました。次はホール前のうどん屋でも行きましょう。



感想

 改めて自分の感想をば。

 サックス吹きの友人Tを誘って行ってきた。司会を交代しつつトークを軽く挟みながら進行。ギターとストリングベースがスピーカーありで、それの音量が大きいのが辛かったが、コンサート自体はお目当ての須川氏を拝めたこともあり満足した。技術的に関心した所は、音のリリースでディミヌエンドしながら綺麗にビブラートをかけていた所やポルタメントが滑らかな所など。

 ギターの音について。私にとっては単純にキャビネットの音量が大きくて苦手だったが、それを除いて考える。セミアコのギターだったせいか丸い音が壁になって迫ってくる感じで指向性が薄いように感じた。(音がどこから来てるのかわかりにくいような。)そのせいで余計に圧迫感があったように聞こえたのだろう。音を小さくして伴奏に回っているときは全体の支えになっていて良かった。セミアコでも時々歪ませた時があり、その時とソリッドの12弦ギターは中低域が減り丁度よい細さになって、アコースティックのサックスやヴァイオリンと馴染みが良くなったように聞こえた。

 渡辺香津美氏ソロのパッシー・ホームは12弦で、低域に追加された和音が重厚で面白かった(音はデカイ)。曲自体も転調を繰り返しエスニックなメロディーで気になる。(パッシー・ホームは12弦ギターのソロだったよね…?)アルバムの収録ではアコギの模様。
 前半ラストの「遠州つばめ返し」

 ベースはスピーカーがどこにあるかわからなかったが、後でTwitterの写真で楽器の後ろに隠れていたのが分かった。これも低域の膨らみがキツかった。自分の耳の中低域にダイナミックEQ入れたくなる。友人はこれぐらい出ていて丁度よいと言っていた。クラシックに慣れていることによる弊害を実感する。

 「ジプシー・メドレー」山中惇史編は奥村愛氏ソロで奥村愛ストリングスの伴奏による。チャルダッシュ/モンティ、ひばり/ディニク、ツィゴイネルワイゼン/サラ=サーテの三曲のメドレー。ひばりは曲名は知らなかったが、ホラ・スタッカートに似ていたのでディニクだと思った。音量面について私はこんなものだと思ったが友人は音が小さいと感じたらしい。だからギターとベースが最弱のヴァイオリンに合わせてくれないと困るんだ。それから、ホールの音響もここは音が飛んできにくいと思う。

 後半どの曲か忘れてしまったが、弦の伴奏でアルペジオをスラーでつなぐところがあった。あれはE線の音だけ悪目立ちして変だなと思った。ブルックナーやらもやりがちだが、少人数だったのがいけなかったのだろうか。少々気になる。

 須川氏目当てだったので、期待していたより氏の出番が少なく残念だった。半分位の曲には出ていたか?

 アンコールは2,3人携帯の着信音が鳴った。アンコールだったのがまだ救い。昨年のエマニュエル・パユのときでさえ鳴ったので岡崎の鑑賞態度が気にならざるを得ない。


メモ


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