0.おすすめ音源

 リール国立菅 指揮アレキサンドレ・ブロック
 Naxosにある音源は少しずつだが全録音聞いた。選考の最低基準は録音の質がある程度良いこと。勿論ショルティ/シカゴ響の圧倒的パワー、アバド/ベルリンフィルの定番も捨てがたいが、第1楽章の丁寧で音楽的なフレージングを聞いたときにこれだ!と思った。ハーモニーは結構濁っていて上手いオケにはやはり到底かなわないが、指揮者のこの曲へのこだわりを強く感じる良い演奏。

 DECCAのハイティンク/RCOは、パン振りや圧縮度合いなど録音エンジニアの仕事がすごい好き。演奏も指揮も良いけど、ちょっと落ち着きすぎな気がする。でもかえって、時々この堂々とした演奏を聴くのがなかなか良い。





1. 対位法

曲全体が対位法で出来ている。例えば下の茶色。1倍2倍4倍に引き伸ばされた形が同時出現。こんなのが結構ある。画像はアトキンソン君のを参考に筆者作成。



2. おすすめ動画

これは難しいので見なくていいです!
マイフェイヴァリットゆーちゅーばー、リチャード・アトキンソンによるブル5の解説。マーラーはブルックナーを師ではないと語っているようだが、影響は超有り。
こんな感じの動画をマラ7で作りたい。というか作り中なのだが、間に合わないかも。
 ブル5のコラールの音形は、マラ7終楽章第1主題に使われてる。去年某ブルオタ系音楽学者にこの話をしたら「アハハまあそういう考えもあってもいいんじゃないですかねウフフ」って言われた。
 ちなみにハンス・ロットの交響曲第1番第1楽章にも使われていて・・・・・・・





3. おすすめ動画2 

どこが何主題か把握するにはこういうのが便利かも
ちょうど最近上げてる人がいた




4. 終楽章の素材

これも上級者向けです!
マラ7第5楽章に登場する材料。終楽章はこれらでほぼ全て構成されてる。また、第1~第4楽章に予備(伏線・予告)があるものもある。第4楽章は中濃緑と桃でできているといっても過言ではない?

ハンス・ロットに詳しい自称音楽学者K氏によると
藤色…マイスタージンガー
水色…ブルックナー5番
青色…マイスタージンガーの冒頭の合唱コラール
赤&(緑)…フランツ・レハール作「ウィーンの女たち」の序曲
黄色…リヒャルト・シュトラウス作「家庭交響曲」High-C三連発
桃&(緑)…二分音符が段重ねになるのはハンス・ロット作「牧歌的前奏曲」
がそれぞれの由来になっているらしい。

オレンジ黒囲いは、マラ7第1楽章第1主題の長調版。
赤のティンパニは、申し上げるまでもなく、マラ7第1楽冒頭のtuttiの変形。第2~第4にもこのリズムは背景に登場している。

これがレハール最初のオペレッタ、ウィーンの女達。冒頭のリズムとそのあとの同音3連と下行の形、突如重くなる雰囲気に刮目せよ。誰かわかってくれる人いないかなぁ。

上の画像でいう真ん中の濃さの緑はマイスタージンガーにも3回くらい出てくる。そしてそれをハンス・ロットが牧歌的序曲に引用した(自明。聞けばわかる)。マーラーは桃色の部分も牧歌的序曲からアイデアを採った。レハールとマイスタージンガーが同じ素材を持つのは、よくできた偶然だと思われる。
4:29から緑色部分(これはマイスタージンガーより引用)
12:27からマラ7桃色部分の由来らしきものが聞ける(その前にもTrbで予告がある、そっちのほうがマラ7に似てる)

4/14追記。レハールのウィーンの女たちについて。マラ7第1楽章にもかなりそっくりなところあり。

さらについでに、第4楽章のハンス・ロットの引用箇所



5. おすすめ動画3

 音がよい。画質はそこそこ。とはいえTrpの音拾いすぎかな