医学哲学と倫理 第 10 号 13 
ニーチェの病、ニーチェの哲学  
札幌医科大学名誉教授 今井 道夫 
特に4.ニーチェとハンマー『偶像の黄昏』の副題、以降

 マラ6に登場するハンマーは、ニーチェの『偶像の黄昏』の副題、「人はいかにハンマーをもって哲学するか」並びに、ニーチェにしばしば登場するハンマーが由来に違いないです。ではこのハンマーは何なのか、ということで上の論考をご紹介。
 普段は純音楽的で楽譜が絶対な分析スタイルではありますが、マラ6やRシュトラウスのアルペン交響曲はアンチクリストなどの当時の思想を取り入れて考えても面白いかと思います。
 マラ6の分析・研究といえば、アンダンテとスケルツォの順番だとか、ハンマーの回数だとかが有名です。でも個人的にはそういうのはみみっちく感じてしまいます。

 さらに先の演奏会について予告しておくと、マラ7の鐘はニーチェの「ツァラツストラはかく語りき」に出てくる詩「深夜の鐘の歌」を表していると思います。2,4楽章につけられたナハトムジーク(夜の音楽)の題?も、なにかツァラツストラと関係があるかも?考え中です。