2022/10/06 (木) レオニダス・カヴァコス J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・リサイタル
主催:東海テレビ放送 後援:ギリシャ大使館
 
愛知県芸術劇場コンサートホール
17:45当日券販売開始 18:00開場 18:45開演
S席8000円 A席6500円 B席5000円 U25 2000円

■無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番 ロ短調 BWV1002
■無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 イ短調 BWV1003
休憩
■無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 二短調 BWV1004
アンコール(曲順はうろ覚え。曲目は合っているはず。)
□ソナタ第3番 ハ長調 3.Largo
□パルティータ第3番 ホ長調 4.Menuet
□パルティータ第3番 ホ長調 1.Preludio
□パルティータ第3番 ホ長調 2.Loure

感想

1年ぶり2回目の生カヴァコス。前回はN響ブロムシュテットでブラームスのコンチェルト2日目だった。(まだ感想をかいていない)バッハのCDは聞かずに行った。

パルティータ第1番
チューニングは低い。A=415Hzだと思う。ざらッとした音色が芸文によく響く。
4曲目のDoubleで弓が思いっきり駒から外れて駒とテールピースの間を弾いたり,音が数音抜けたりした。右手がくちゃくちゃになっていた。なかなか盛大にミスったなと思ったけど,かのカヴァコスなら現代奏法をバッハにとりいれたとも考えられなくもないしわざとか?とも思った。(次の曲のソナタ第2番のAllegroでも同様なミスがあり,わざとだと思いたかった。)帰宅後Amazon Musicを契約し録音を聞いてみるとこんなスル・ポンティチェロみたいなことはしていないのでやはりミスだったのだろう。

ソナタ第2番
Andanteは割と進行を感じる遅くないテンポ。逆にAllegroはじっくりした遅め。Fugaの難しい和音は小指のふらつきが心配になる。ソナタ第2番は舞台袖にひかずにすぐ始まった。

後半パルティータ第2番
Correnteはスタッカートで始まったのが意外で印象的。Gigaでまた異常に軽やかに弾いてスル・ポンティチェロみたいなことをしていた。うーんやっぱりわざとなの?(そんなわけない)

シャコンヌ。
130,131小節目の装飾は正直ダサいと思う。付けたくなる気持ちはわからなくもないけど。
201~208小節目は113小節目からのような3弦から4弦を使用したアルペジオ(なんていうの?)に魔改造

全体
カヴァコス独自の装飾音の追加がある。繰り返しの2回目はほぼ必ず形が変わる。特に気になったのはアポッジャトゥーラの追加。掛留音と言ったほうが良いかもしれないが,前の和声音を次の小節頭にも弾いており,その重みがかなりある。この技が使えそうなところは結構使っていた。

基本的に1ポジ使用で開放弦を使うが,例外もあり下行形では小指で抑えてるところもあった。

ビブラートは終止ではほぼ使わないが,フレーズ途中では使う。

ノリの良い曲では足踏みして拍を捉えていた。ネイビーのスエードの靴がかっこいい。

弦はG,Dはエヴァピラゴールド多分。A,Eはよく見えなかった。ピッチを落としているし,張力の強い弦を選んでいる,とかの選考理由はあるのだろうか。
サイン入りCDが売ってたらほしかったけど無かった。普通のCD販売はあり。

今回のコンサートはカヴァコスの芸術性にちょっとついていけなかったかなという感じ。ミスに対しても変に頭の容量使ってしまったし。それにこのカヴァコスの弾き方なら圧倒的にアンコールの長調の曲の方がよかった。名古屋公演はアンコール以外全部短調で単調だなと思った。アンコールに感謝。
21世紀の最新のバロック奏法に触れることができて満足しているし,新鮮さを味わったこと自体は良かった。CDで予習しとくともっと余裕をもって聴けたかもしれないがオーディオに慣れるのも嫌だったのでしょうがない。

アンコールの最後の曲の前にカヴァコスが「ありがとう最後」といい,おわったらおじさんがヴんだヴぁーと叫んでいた。

住友生命いずみホールのブログ アンコール局のお知らせ 10/7 レオニダス・カヴァコス リサイタル 

シャコンヌに引用されているコラール

開演前に解説を読んでいたら面白いことが書かれていた。シャコンヌは亡き妻に向けたもので暗号やコラールが隠されているという説があるらしい。暗号に関しては参考文献を読むとして,引用されているコラールはYoutubeの動画をメモとして張っておく 思ったよりわかりにくくて難しかったのでパス
参考
BACH CIACCONA FOR SOLO VIOLIN:hIDDEN CHORALES AND MESSAGES