▊ ブラームス:交響曲第4番ホ短調 作品98
▊ ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68 
小泉和裕(指揮/名フィル音楽監督) 

 ベートーヴェンの存在はあまりに大きく、影響を受けていない作曲家を見付けられないほどですが、最も優れた《後継》となると、ブラームスの名が真っ先に挙ります。偉大な9つの交響曲を意識するあまり、完成までに20年以上の歳月を費やした第1番が「ベートーヴェンの第十交響曲」と称えられたことは、あまりに有名。  



ブラームス4番1番 
 どちらも生演奏は多分初めて。でも正直ぱっとしなかった。だが原因が何にあるかわからない。
  ブラームスの1番といえば傑作中の傑作で、トロンボーンのコラールからのバイオリンG線をはじめとする弦楽の第一主題で、涙を流さずにはいられない、はずだったのだが、なんか違った。期待しすぎだったのか、勉強不足だったのか。
  後日改めて曲を聴いて思ったのはブラ1はクライマックスに音が少なく単純すぎるということ。ブラ1の様に最後のコーダ数分で一気に畳みかける系の曲は、ぱっと思いついたので、ラフマニノフPf協奏曲2番、ベートーベン第9番、があるけど、参考に第九を見ると木管の対旋律は鳴ってるし、ホルンの対旋律ぽい誘導もある。でもブラ1は本当に声部が少なくて中高音と低音だけって感じ。まあ第九も声部少ないんだけど合唱でそれなりに動きを感じるしアバウトな感想ですが。とにかくシンプル故に一歩間違えればつまらん演奏になりかねないし、実際退屈に感じたんだと思う。そもそも自分の好みはRシュトラウスやヒンデミットみたいな色々な音が重なり合った系なのでっていうのも多少あるかも。

  他の観客はそれなりに集中してたし、拍手の鳴りも悪くなかったので、演奏自体に大きな問題があったとは考えにくい。知らんけど。ブラームスの構造美とは何たるや。焦らしの少なさ、純音楽とは何ぞや、色々考えるきっかけになったのでそういう意味で良い機会だった。ブラームス派とワーグナー派に分かれているのもなんとなくだけどわかるようになった気がする。気がするだけかも。

  4番は勉強不足だったと思う。反省。ブラームスにはブラームスの聴き方のコツがあるんじゃないか。でもバイオリンソナタとか協奏曲は普通に聞いても感動できるんだけどなぁ。 

以上