ハイライト公演というのを初めてみたが、主要アリア以外バッサリ切られていてびっくりした。人物の性格描写やキャラの肉付け部分が無い事に少々戸惑った。スカルピアの非道な部分が好きな箇所だったのだが。次回以降は予めこういうものだと心づもりをしていきたい。

 あらすじの語りがあるが、演奏と同時に喋るため何を言ってるのかよくわからない。ましてやこの響くホールでは。オケが大音量の所や、チェロ四重奏の箇所などの器楽の見せ所にもナレーションを重ねてくるので器楽の場面をを軽んじている様にさえ感じてしまう。時間短縮の為に仕方がないのだろうか。いや、多少進行に遅れが出るとしても語りは音楽が無いときにするべきであろう。(2年前に実演を聞いた語りありのメンデルスゾーン真夏の夜の夢はどうだった?)

 演出に釈然としないところがあり消化不良。ダンサー2人がスカルピアの従者として登場したが、スカルピアが殺されるシーンではトスカの幇助をしていた。服を滅多刺しにする表現は良いとして、舞台上から捌けなければならないというのわかるがここはイマイチ。ダンサーは黒子であるというのもわかるが。自分が演出なら黒子が殺されたスカルピアを発見して、肩や台車に担いで捌けるというものにする。さらに後に、トスカがスカルピアめザマァミロと歌うシーンで、後ろにトスカとダンサー2人が再び登場して身振り手振りでトスカの回想を演じるような箇所があったがこれの必要性が不明。スカルピアが駆け込んで舞台裏に捌けたため生き返ったとも見えるし(これは屁理屈すぎるか)。

 オケはやっぱり派手型というか…。なかなか獰猛である。

以上。