2023/01/20 (金) 愛知県芸術劇場コンサートホール 18:45


 今回登壇の指揮者の録音を聞いた時には、おいっちに、さんっしっ、という風に聞こえたのであまり期待できないなと思っていたが、なかなか良いじゃない。タピオラでもフレーズは蔑ろにされていなかった。

  ニールセンは「真面目な演奏」。確かに、縦に律儀すぎて若干メトロノーム感があるきらいは認められるが丁寧で破綻せず、pからfまで素朴で温かい響きに満ちていた。というのもこの曲、VcとCbのユニゾンが多く、尚且つVcは低域の使用が多いので低弦の響きが非常に多い。低弦は熱演だった。

 演奏後頭の中で咀嚼中に、彼のニールセンは爆音のティンパニをHrとTrpが「打ち破る」ことで完成するのだと分かった。アレグロ後半以降左手でHrとTrpに対し頻繁にもっとと指示を出していたのはそういうことだろうと。何しろTimpが強大なので確かにこの二つは埋もれていた。指示通りもっと出ていた方がよかった。Trpはビブラートをもうちょい増やして浮き上がらせるのもいいだろう。金管は2日目の方が大体パワフルになるので2日目に期待。

 Ob1は音細い。2番のほうが豊かでいい音。Cl2は最初音程悪かったが途中で修正したっぽいのでおk。第2楽章の木管アンサンブル部分は目立った。

 ニールセンは指揮者のやりたいことが分かって個人的にも充実した演奏会だった。それに約1か月ぶりの名フィルは上手だなと感じた。その間に他の愛知のオケに数回行っているので比べてしまう。毎回この位上手だと素晴らしいが、へたくそな指揮者だと壊滅的な演奏になるのも、まあそれも味かと思いつつある。シベリウスと藤倉大は今日もよくわからなかった。

アンコール:▊ 藤倉大:そでひちて 三味線,歌:本條秀慈郎

以上