2022/11/22 火 マーク・パドモア&内田光子 デュオリサイタル2022 名古屋公演
世界が絶賛!至高のデュオ

概要

2022/11/22 火 三井住友海上しらかわホール 18:30 開場 19:00 開演
S席10,000円 A席6,000円 学生(25歳以下)1,000円 
発売日10/6木10:00- 全席指定税込み

主催:クラシック名古屋
協力:サントリー芸術財団
後援:ブリティッシュ・カウンシル

テノール:マーク・パドモア Mark Padmore
ピアノ:内田光子

プログラムノート:喜多尾道冬(音楽評論)

プログラム
ベートーヴェン 
■希望に寄せて(第2作) 作品94※
■あきらめ WoO 149
■星空の下の夕べの歌 WoO 150
■歌曲集『遥かなる恋人に』作品98
 第1曲:丘の上に腰を下ろし
 第2曲:灰色の霧の中から
 第3曲:天空を行く軽い帆船よ
 第4曲:天空を行くあの雲も
 第5曲:五月は戻り、野に花咲き
 第6曲:愛する人よ、あなたのために
※配布パンフレットにはop.91とあるが、op.94の間違い。91はウェリントンの勝利。解説内では94にきちんとなっている。

◇休憩20分

シューベルト
■歌曲集『白鳥の歌』D957/D965a
 第1曲:愛の使い
 第2曲:戦士の予感
 第3曲:春の憧れ
 第4曲:セレナーデ
 第5曲:すみか
 第6曲:遠い地で
 第7曲:別れ
 第8曲:アトラス
 第9曲:彼女の肖像
 第10曲:漁師の娘
 第11曲:都会
 第12曲:海辺で
 第13曲:影法師
 第14曲:鳩の便り

アンコール:無 

感想


総評


 パドモアの弱音の表現は「語り」。つまり普通の喋りっぽくて、特にベートーヴェンの歌曲において頻繁に用いられた。しかしこのとき音程がずり下がっていたのがかなり残念。弱音の終止と特に下行で音程の幅が広がってしまい音程が悪い。この時ビブラートを制限しているようで詰まった音になる。ビブラートがかかる普通の歌声の時は音程は悪くない。

 前半最初の3曲は声がスカスカで、上記の音程の悪さもかなり頻繁に出たが、曲の終わりに携帯の着信音を聞いてやる気が出たのか次第に潤いのある声になってきた。そして強奏ではしらかわホールでは小さすぎると感じるほどの圧巻の声量であった。光子氏の強打にも全く負けていない。

 シューベルトでは最後まで集中力を保ち続けた演奏で立派だった。やはり弱音の表現に技術的不満は残るが、光子氏の安定した落ち着きのある伴奏と素晴らしい和音のバランス、弾き振りのような手の動きなどにうまく乗り、全体では破綻なく歌い遂げた。弱音も音程は悪いが、表現の幅の広さの観点で言えば見事であり、14曲を飽きることなく聞き続けることができた。

 全体ではそれなりに満足した演奏会だった。やはり一番印象に残ったのは白鳥の歌での緊張感、会場の空気だろうか。2人が生み出した雰囲気が良かった。(観客の質はそれほど良くはなかった。冊子を落とす音が10回くらい聞こえた。)光子氏の音の良さも実演でないとわからないだろうし良い経験になった。各歌の歌詞や意味などが筆者の予習不足により完全に把握できていなかったのが勿体なかったかなと思う。わかっていたらパドモアの表現をきちんと理解できたはず。

実況

追記予定

雑記

客入りは8割5分以上。思ったより多い。質は上記の通り良くない。前方の関係者らしき外国人がすごいキョロキョロして気にしていた。スタオベは3分の1くらい。

ドイツ語は聞き取りやすい。パドモアはイギリス人。
追記予定

記憶の宮殿

追記予定