2023/12/16 土曜 ルンデ 青木尚佳 イザイ

上手すぎてびっくり。先月のヤン・インモからさらに、音の統一感やアタックの明瞭さ、音程、音量、全体の完成度などで上回り、「ストイック」という言葉がぴったりな演奏だった。五度の音程の正確さにはとくに感動した。これがプロの仕事かぁと感嘆する。

ハキハキパッきり弾くスタイルには第一番が特に合っていて、堂々とした演奏で、フーガ部?も煩雑になったり突然音量が変化したりもせず圧巻だった。第一番は今まであまり注目してなかったけど、魅力に気がついた。
終止の感じは、畳み掛けるタイプで、フレーズとフレーズの合間では短めにコンパクトにまとめるのが次への推移への方向性が生まれて効果的。一方第3〜6番の一番最後の最後でも音が短く小さく、遠慮がちに終わるので、結尾の満足感は少ない。良く言えば最後が丁寧でコンパクト。尻すぼみで不釣り合いで、勿体無いと個人的には思った。
(黒丸音符にフェルマータはついておらず、その後の休符に付いていたりするので、そこをどう考えるかみたいな話になりそう)

第4番第2楽章の冒頭のピッツィカートは定型音形(オスティナート?)2回追加。私が持ってる楽譜には書いてないんだけど、録音でマイケル・レビンがやってるのは聴いたことがある。オスティナートが理解しやすいので非常に良いなとレビンを初めて聞いたとき感動した。

第3番に一箇所だけアレンジ入ってたかも。主題の付点特に変に強調することもなく自然。最後から2ページ目の再帰する箇所は、少し複付点ぽくしてたかもしれない。最後の最後(Vivo)だけやっぱり大人しいのがなんか気になる。それが彼女の美学って事だろうけど。
第4番第一楽章。序奏はゆったり目だけど次の四弦アルペジオでやや速急になり、メインテーマからは快速運行。これはこれで良かった。あんまり重たすぎるのも聞き辛いので。
この様子なら第5番の第二楽章も快速かと思ったらここはそうではなくて、じっくり丁寧なダンスだった。拍の感じ方を分析的に聞けばよかったと反省中。

手首からビブラート。やっぱりこれだね。4-1のオクターブのビブラートで、中指だけ震わせて掛けてるように見えたテクニック?があった。
肩当て無しっぽい?
アンコールは無し。無しが良い。私は最近、アンコールはやらないほうが良い教に入信しました。
終演後ロビーに出演者が出てサインなど求めることも可との案内有り。

日本人女性で海外オケコンマスということで人多いだろうなと思ってたのに40人位しか客がいなかった。その分快適に聞けたけど。みなさんこれは聞きに行かないと駄目ですよ。N響マラ8と名フィル第九に流れてるのかなあ。

以上